腹黒王太子の華麗なる策略
ディオンがラルフに突っ込みを入れた。
そんなディオンをラルフは無視し、「クリス様、もう少しベッドで休まれてはいかがですか?」と気遣わしげに俺に勧める。
「大丈夫だ。アンのお陰ですっかり良くなった。溜まっていた仕事を処理して疲れただけだ」
ラルフにそう答えたら、こいつは突然「あっ!」と声を上げた。
「急にどうした?」
俺の問いにラルフは少し慌てた様子で言う。
「アン様が庭園に行かれるというので、付き添うつもりだったのですが、ディオン様に声をかけられて……多分そのままおひとりで庭園に」
「こら、ラルフ。俺のせいにするなよ」
ディオンがムッとした顔で文句を言う。
「アンが庭園に……」
そう呟いた時、アンの気配がスッと城から消えた。
透視してみれば、彼女はモコの背に乗ってオリン山の方に向かっている。
そんなディオンをラルフは無視し、「クリス様、もう少しベッドで休まれてはいかがですか?」と気遣わしげに俺に勧める。
「大丈夫だ。アンのお陰ですっかり良くなった。溜まっていた仕事を処理して疲れただけだ」
ラルフにそう答えたら、こいつは突然「あっ!」と声を上げた。
「急にどうした?」
俺の問いにラルフは少し慌てた様子で言う。
「アン様が庭園に行かれるというので、付き添うつもりだったのですが、ディオン様に声をかけられて……多分そのままおひとりで庭園に」
「こら、ラルフ。俺のせいにするなよ」
ディオンがムッとした顔で文句を言う。
「アンが庭園に……」
そう呟いた時、アンの気配がスッと城から消えた。
透視してみれば、彼女はモコの背に乗ってオリン山の方に向かっている。