腹黒王太子の華麗なる策略
クリスもどこか緊張した面持ちでじっとラミレス王を見ていたが、やがて棺に触れてガラスのような蓋を持ち上げた。

すると、棺の中がピカッと光って、洪水のように一気に光が放出される。

「何これ?眩しい!」

その光があまりの神々しくて手で目を瞑った。

もし天界があるなら、こんな風に光に満ち溢れている場所かもしれない。

瞼にまだ光を感じるが恐る恐る目を開けたら、ラミレス王が聖剣を持って私達の前に立っていた。

死んだはずではなかったの?

驚かずにはいられない。

いや……この人は天から来たのだ。

死という概念自体当てはまらないのかも。

「お前はソフィーの娘だな?」

ラミレス王は、私を見て口を開く。

『ソフィー』というのは、私の母の名だ。

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