腹黒王太子の華麗なる策略
もし父に会ったら〝お父さん〟と呼ぼうとか、思い切り抱きつこうとか昔はいろいろ考えていたのに、実際に会ってみるとどうしていいのかわからない。
しかも、相手はラミレス王だ。
何て言えばいい?
自問自答していたら、ラミレス王が母のことを語り出した。
「深い眠りから覚めてこの洞窟を出た時、偶然山に迷い込んだお前の母親と出会い、恋に落ちた。共に過ごしたのはたった数日だったが、人間の女を愛したのは彼女だけだ。だが、彼女は私が人間ではないと知ると、姿を消してしまった」
淡々と私に語るラミレス王の表情はどこか寂しげだった。
母もきっと辛かったのだろう。
父のことを愛するが故に、彼の前からいなくなった。
ラミレス王が母をあえて追わなかったのは、母の気持ちを理解してのことだと思う。
それから、私を生んだ母がインヴァネスの城に流れ着いたのも、偶然ではない気がする。
しかも、相手はラミレス王だ。
何て言えばいい?
自問自答していたら、ラミレス王が母のことを語り出した。
「深い眠りから覚めてこの洞窟を出た時、偶然山に迷い込んだお前の母親と出会い、恋に落ちた。共に過ごしたのはたった数日だったが、人間の女を愛したのは彼女だけだ。だが、彼女は私が人間ではないと知ると、姿を消してしまった」
淡々と私に語るラミレス王の表情はどこか寂しげだった。
母もきっと辛かったのだろう。
父のことを愛するが故に、彼の前からいなくなった。
ラミレス王が母をあえて追わなかったのは、母の気持ちを理解してのことだと思う。
それから、私を生んだ母がインヴァネスの城に流れ着いたのも、偶然ではない気がする。