腹黒王太子の華麗なる策略
モコは久々に彼に会えてとても嬉しそうだ。

ゴロゴロと気持ち良さそうに喉を鳴らしている。

ラミレス王はモコを撫でながら、最後にクリスを見た。

「インヴァネスの王太子、随分と面白いものを飼っているな」

さっき会った水の精もそうだったけど、クリスのことをラミレス王も知っていて驚いてしまう。

眠っていても人間の情報は入ってくるのかもしれない。

彼が持っている力は未知だ。

すぐにクリスが悪魔と契約しているのに気づくのだから、やはり天界の人なんだと感心してしまう。

だが、クリスはそんなことに少しも動じた様子はない。

「ええ。ここに来たのもそれを倒す聖剣を手に入れるためです」

クリスは真っ直ぐな目をしてラミレス王に告げる。

「この聖剣、普通の人間は持つこともできぬ。お前にその力があるか試してやろう」

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