腹黒王太子の華麗なる策略
だが、今度は十体以上。

しかも、さっきより動きが早い。

それに、シャメル国王や騎士達も私達に剣を向けて襲いかかってきた。

クリスは使い魔を振り払うと、私に口早に言う。

「モコに乗って城に戻れ!」

「いや!私も戦う!」

声を大にしてそう言い放つと、私は聖剣を鞘から抜いた。

剣から光が溢れている。

「アン!」

クリスは怖い顔で私を睨むが、その時、シャメル国王が彼に剣を振るった。

「クリス、危ない!」

シャキンと剣がぶつかる音がする。

「よそ見をしている暇はないぞ、クリストファー!」

シャメル国王はニタっと笑った。

チッと舌打ちするクリス。

「私のことは大丈夫、父の剣が守ってくれる。だから、クリスはシャメル国王とフィオナをお願い」
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