腹黒王太子の華麗なる策略
「これをくらえ!」

ふたりの頭上に雷を落とす。

ピカッと空が光り、ドカンという衝撃で地面に倒れ込むふたり。

「うっ……クリストファー」

俺を睨みつけ、よろけながら立ち上がるシャメル。

もう立つのもやっとかと思ったが、彼は自分で身体を治癒した。

「お前の力はこんなものか?」

シャメルは口の端を上げ、俺を挑発する。

フィオナも立ち上がると、呪文を唱えて自分の怪我を治した。

「お前と契約しているのは、ルシファーなのだろう?加減などせず、思う存分魔力を使えばよかろうに」

フィオナはニヤリとする。

きっと城に使い魔を放って俺の情報を集めたのだろう。

「余計なお世話だ。自分の身の心配をしたらどうだ?今度は逃さないから覚悟しろ」

憎しみを込めてフィオナに言い放てば、ババアは高笑いした。
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