腹黒王太子の華麗なる策略
「オリン山の吹雪を止めたのはお前だろう?ラミレス王の力を止めたのだ。かなりの魔力を使ったはず。私には到底出来ぬ芸当だ。お前は元は普通の人間。体力も限界にきているのでは?」

フィオナは鋭い眼光で俺を見た。

ババアは言葉で巧みに揺さぶりをかけている。

挑発に負けて本気を出すわけにはいかない。

制御して力を使わなければ、フィオナ達だけでなく、アンやモコも吹っ飛ぶ。

「いらぬお節介は身を滅ぼすぞ」

フィオナを笑い飛ばし、使い魔を呼んでババアの口を封じた。

口が聞けなくなったフィオナは文句を言いたげにキッと俺を睨みつける。

「そのまま黙っていろ」

俺は冷ややかに告げた。

フィオナの言っていることは当たっている。

徐々に魔力を使った反動がきていた。

身体の動きが鈍くなってきているし、末端に力が入らない。

長期戦に持ち込むのは危険だ。
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