腹黒王太子の華麗なる策略
俺の目の前にコレットがディオンとラルフを従えて現れた。

俺は昨日城を出る前に、コレットに今日のお昼を過ぎても戻らなければ助けに来いと伝えていたのだ。

シャメルとフィオナに剣を投げて刺したのは、どうやらディオンとラルフらしい。

フィオナの魔法が解け、俺の身体も自由になった。

身体に力が入らないが、剣で自分の身体を支えてなんとか立ち上がる。

「遅すぎだ」

「あら、そんな冷たいこと言うと帰るわよ」

コレットは、俺を見て意地悪く微笑む。

「お前は……」

フィオナがコレットを見てハッと驚く。

「あら、私を見て妹を思い出した?ずっとこの日を待っていたわ。あんたに復讐するために魔女になってね」

コレットは、憎悪に燃える目でフィオナを見据えた。

「コレットにディオン、それにラルフも!」

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