腹黒王太子の華麗なる策略
「さすがラミレス王の血を引いているだけのことはあるわね」

コレットがアンにパチパチと拍手する。

「クリス、このふたりどうするの?」

アンは俺を振り返り、判断を仰いだ。

「アンがいいのなら、フィオナはコレットに任せよう」

アンの母親もフィオナに殺されている。

何か思うところはあるだろうし、彼女の意志を確認した。

「うん。コレットになら任せられる」

アンは俺とコレットに向かって頷く。

「ありがとう。ふたりに感謝するわ」

俺達に礼を言うコレットの瞳が微かに潤んでいた。

彼女はフィオナに目を向けると、右手を上げ呪文を唱える。

すると、フィオナはヒキガエルの姿に……。

ケロケロ、ケロケロと鳴くフィオナ。

「本当は殺したい程憎いわ。でも、あんたを殺しても妹は生き返らない。醜いヒキガエルになるなんて、あんたにとっては一番の罰でしょう?改心したら、人間に戻れるかもしれないわね」

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