腹黒王太子の華麗なる策略
三年前にフィオナに父を殺された時、国を守るため俺は悪魔を召喚して契約した。

その悪魔というのは……魔王ルシファー。

ルシファーの魔力は、この世を破壊できる程強大。

俺はルシファーの魔力を手に入れたが、その代価として俺の命を差し出した。

魔力を使えば、使った分だけ俺の寿命が縮む。

しかも、使い過ぎると精神的にも肉体的にもダメージが大きく、身体が回復するのにかなり時間がかかるのだ。

フィオナが城からいなくなっても、俺が相変わらず部屋に引きこもっているのは、体力を温存するため。

身体が弱れば、簡単にルシファーに俺の身体を乗っ取られる。

俺の左胸には、手の平ほどの大きさの黒いあざが広がっている。

このあざが全身に広がった時、俺はルシファーに身体を乗っ取られて死ぬらしい。

奴が契約の時にそう言っていた。

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