腹黒王太子の華麗なる策略
「え?な、何?」

わけがわからずキョトンとする私。

そんな私を愛おしげに見てクリスは求婚した。

「アン、私と結婚してくれませんか?」

それは、私が小さい頃から知っている甘い王太子のクリスで、その顔を見てうっとりしてしまう。

あ〜、格好いい!

ずっと眺めていたい。

「こら返事は?」

クリスは、ボーッとなってる私の頭を軽く小突いて注意する。

「……私でいいの?だって私……侍女だよ」

急に我に返り、不安顔で聞けば、クリスはハハッと笑った。

「ラミレス王の娘が何を言っている。本来なら、お前のために神殿でも建てなければいけないところだ。古の王の娘である実感がまだないなら、そうするが……どうする?」

クリスは悪魔な顔で私に聞いてくる。

神殿⁉︎

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