腹黒王太子の華麗なる策略
このタイミングだと恐らくエッジウェアの国の者だろう。

エッジウェアの国王、シャメルは去年即位したばかりの若い王で、野心家だ。

インヴァネスの領土を狙っていて、国境付近には常に兵を配備している。

「またどこかの国の間者が潜り込んでいるようだな。ラルフ、見つけ次第処分しろ」

ラルフにそう命じると、こいつはコクリと頷いた。

「わかりました」

次にダクトスに目を向け、俺の婚約を伝える。

「ダクトス、俺の結婚が決まった。相手はエッジウェアの第一王女だ。王女の一行が数日後に城に着くから、お前はラルフと共に歓迎の宴と式の準備を頼む」

「先程の使者は王女の出立を知らせに来たのですね。殿下のご結婚をこのダクトス、心待ちにしておりました。急な話ですが、皆喜びます」

俺の報告に少し興奮気味のダクトス。
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