腹黒王太子の華麗なる策略
「俺もあのババアを許す気はない」

それ相応の報いは受けてもらう。

俺の言葉に殺気を感じたのか、コレットは笑った。

「あら、ババアに関してはお互い意見が合うじゃない。その様子だと、本当に結婚するわけではなさそうね」

「さあ」

顔色を変えずに惚けると、コレットはスーッと目を細めた。

「本音は口にしたくないってわけね。まあいいわ。私はね、アンのことを妹のように思っているの。だから、彼女を悲しませないでくれる?私は今夜、男のところに行くから仲直りしなさいよ」

「お節介な魔女だな」

微かに笑えば、コレットは誇らしげに言った。

「よく言われるわ」



それからすぐに浴場を出て回廊を歩いていると、ブツブツ何か言っているディオンと出くわした。
< 60 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop