腹黒王太子の華麗なる策略
昼間は賑やかな王都の街も歓楽街以外は閑散としていた。

王都の外れまでただ無心で歩く。

石畳だった道は土の道に変わり、森に入ると獣道に変わった。

城から出ることしか考えてなかったけど、この道を歩くのは正直言って怖い。

ホウホウとフクロウの声がするし、たまに藪の中がガサゴソしてビクっとなる。

それが野ネズミと知って、安堵する私。

「モコがいてくれて、助かったよ。ひとりだったらこんな道、歩けないもん」

私の言葉に、モコはニャーと鳴く。

モコがいなかったら引き返していたかも……。

森に入ったはいいけど、今夜はどこで寝よう。

平坦な場所があればいいのだけど……。

そんなことを考えながら前へ進むと、森の奥にたくさんの松明が見えた。

耳を澄ませば、馬の蹄の音も聞こえる。

野盗?とも思ったけど、それにしては数が多い。
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