腹黒王太子の華麗なる策略
驚きで目を見張れば、彼女の後ろからもうひとり背が高く、赤髪の青年が現れる。
昔、クリスから聞いたことがある。
王族はみな髪と瞳が黒以外の色だと。
この青年は……瞳の色は茶色だし、王族に違いない。
「ほお、この娘が例の娘か。確かに髪は黒いが、瞳は綺麗な紫だな」
赤髪の青年は私を見て口角を上げる。
私を知っているかのような口ぶりだ。
嫌な予感がした。
〝逃げろ〟と本能が言っている。
後ずさりして逃げようとしたら、ツルが身体に巻きついて、私の身体は宙に浮いた。
「キャア!」
悲鳴を上げ、恐る恐る下を見下ろせば、フィオナが私を見て高笑いしている。
「逃がさないよ。あんたを捕まえないと私の命が危ないからねえ」
フィオナはそう言って、何か呪文を唱える。
すると、ツルの上を私めがけて光が走った。
昔、クリスから聞いたことがある。
王族はみな髪と瞳が黒以外の色だと。
この青年は……瞳の色は茶色だし、王族に違いない。
「ほお、この娘が例の娘か。確かに髪は黒いが、瞳は綺麗な紫だな」
赤髪の青年は私を見て口角を上げる。
私を知っているかのような口ぶりだ。
嫌な予感がした。
〝逃げろ〟と本能が言っている。
後ずさりして逃げようとしたら、ツルが身体に巻きついて、私の身体は宙に浮いた。
「キャア!」
悲鳴を上げ、恐る恐る下を見下ろせば、フィオナが私を見て高笑いしている。
「逃がさないよ。あんたを捕まえないと私の命が危ないからねえ」
フィオナはそう言って、何か呪文を唱える。
すると、ツルの上を私めがけて光が走った。