腹黒王太子の華麗なる策略
赤髪の青年は黒い笑みを浮かべ、フィオナに提案する。

「確かに」

ニヤリと笑って同意するフィオナを見て背筋がゾクゾクと震えた。

モコも不穏な空気を感じたのだろう。

フィオナが呪文を唱えると、私を咥えたまま飛び上がってモコは逃げようとする。

だが、突然モコは身をよじりながら地面に落下した。

私もモコの口から落下して、地面に転がる。

再び煙に覆われる私とモコ。

息が苦しい。

「モ、モコ……?」

モコが心配で、何とか立ち上がる。

黒煙の中、モコの身体を確認すれば、モコの背中に長剣が刺さっていた。

きっと赤髪の青年がモコに向かって投げたのだろう。

「ひ……ひどい」
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