ミンジュンが私を溺愛すぎる件



テヒョンは黙っていられずミンジュンを睨み、つい反論してしまった。


「…そうは言わないけど。
でも、ミンジュン兄さんの詠美に対する執着は、誰が見たっておかしいと思う。
俺が知ってるミンジュン兄さんじゃないよ。

四六時中一緒にいて見張られて、俺と日本語の勉強をしている時も怯えながら時計を見て、お金で買ってないとしても精神的に詠美を縛り付けてる。

俺は…
俺は、詠美を救ってあげたいって思っただけ。

詠美は、今の俺にとっては、大切な存在だから…」


ミンジュンはテヒョンの最後の言葉を聞き、バカらしくて鼻で笑った。
きっと以前の俺なら、この場でテヒョンを殴りつけ即韓国へ帰していたに違いない。

でも、昨日の詠美の言葉が俺にブレーキをかける。

…まずは、人を許すことから始めなきゃ。

愛情豊な人間は人を許すという行為を、きっと食事をするように簡単にできるのだろう。

ミンジュンは不思議な感覚に囚われていた。
昨夜の詠美の肌の温もりが、三日月の目の可愛いい笑顔が、ミンジュンの中の怒りをかき消していく。


「テヒョンもジノも、よく聞いてほしい…

俺は詠美とつき合ってる…

体が目的とかそんな不純なものじゃなくて、真剣に愛してる…

だから、俺の行動はそこからくるものだから、大目に見てほしい。

人を愛するなんて初めての事だらけで、訳が分からないのが今の現状だ。

だから、テヒョンの事も許す。

お前は、今するべき事をちゃんとしろ」



< 119 / 212 >

この作品をシェア

pagetop