ミンジュンが私を溺愛すぎる件
「テヒョン…?
良かった… まだ日本にいてくれて…」
詠美は泣きそうになった。
今朝、ミンジュンと朝食を取りながら、さりげなくテヒョンの事をお願いした。
“夢に向かって頑張っているテヒョンを応援してあげて…”と。
クビにしないでとか、絶対辞めさせないでとか、そんな事を言える立場じゃないのは分かっている。
だけど、私なんかのせいで、テヒョンの夢が潰れるのは絶対にイヤ…
私の話はちゃんと聞こえていたはずなのに、ミンジュンは何も聞こえないふりをした。
私も、それ以上は何も言わなかった。
ミンジュンは立派な大人で、成功者で、私なんかよりたくさんの事を経験している。
人を思いやる気持ちや、人を許す寛容な心は、無理やりに身に付くものではない事もよく分かっている。
でも、ミンジュンは、テヒョンを許してくれた…
ミンジュンの中の優しい心は、照れくさそうに前へ出たがっている…
「クビはまぬがれたよ…
詠美のおかげかな…」
「え…?」
テヒョンは複雑な表情を浮かべ詠美の手を取った。