ミンジュンが私を溺愛すぎる件
日本での最終オーディションが終わり、韓国への切符を手に入れた5人が発表された。
詠美もテヒョンも、ホッとした面持ちでその5人を見ている。
一か月半かけて行われたオーディションも無事に終わり、詠美もテヒョンも選考結果に納得していた。
夕方、詠美がミンジュンと顔を合わせた時、ミンジュンにすれ違いざまに腕を掴まれ耳元でこう囁かれた。
「今日、帰りが遅いけど、お風呂は一緒に入るぞ」
ミンジュンはそれだけ言うと、ニコリともせずにその場を立ち去った。
詠美の方はこぼれる笑みを隠す事はできない。
一般的には普通じゃない会話だけど、詠美にとってはミンジュンからの愛が詰まった囁きだ。
詠美は通り過ぎたミンジュンを思い、またクスっと笑った。
ジノはそんな詠美をずっと見ていた。
今朝のミンジュンの愛の告白から、ジノは別の仕事でミンジュンと顔を合わせていなかった。
夕方、ここに帰ってきて初めてミンジュンの姿を見たのが、この詠美とのやりとりだ。
ジノは、ミンジュンの初めての真剣な恋の邪魔をするつもりはない。
でも、どういう形であれ、ミンジュンが傷つく事だけは何があっても阻止しなければと、漠然とそう思っている。
詠美はジノの視線に気づき、顔を赤くしてジノに会釈をした。
ジノは訳ありな顔で詠美の元へ近寄ってくる。
「詠美…
ちょっとだけ話がしたいんだけど、今、いい?」