ミンジュンが私を溺愛すぎる件



ミンジュンは詠美を抱き上げて歩き出した。


「ミ、ミンジュンさん、まさか、水風呂??

もう、水風呂は苦手ってさっきから何度も言ってるのに…」


ミンジュンは水風呂の前で立ち尽くしている。
そして、詠美を抱いたまま、右足を入れてみた。


「冷て~~」


詠美はミンジュンにしがみついた。
温かいお湯に慣れてしまった体は恐怖で震えている。


「あ~、冷た過ぎて、夢のような気分から俺はすっかり目が覚めた。
でも、夢から覚めても腕の中に詠美がいるぞ。
という事は、今のこの瞬間は夢なんかじゃなくて現実なんだ」


ミンジュンはそう言いながら、左足も水風呂に沈めた。


「冷て~~~~」


詠美は例えで夢の話をしただけなのに、こんなオチが待ってるなんて違う意味で涙が出てくる。


「よし、じゃ、腰まで浸かってから一気に肩までいくぞ。
詠美にも夢なんかじゃなくて、現実だって分からせてやるから。
心も心臓も、準備をしとけよ」


詠美は分かっていた。
ミンジュンって典型的なガキ大将タイプだ。
好きな女の子を好き過ぎていじめてしまうお子ちゃま人間…

私の今の現状は、逃げても道連れになっても、水風呂に落ちてしまう…


「いいか、いくぞ!」


ミンジュンはノリノリでカウントダウンを始めた。


「きゃ~~~~」


二人は水風呂の中へと沈んでいく…
水風呂ってこんなに深かったっけ?

ミンジュンさん、分かりました。
確かに、今は現実です。
冷た過ぎて何も言葉が出ないほどに…

というか、私達は大の大人だというのに、全裸で一体何をしているの…??




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