ミンジュンが私を溺愛すぎる件



それからのミンジュンは、どこに行くにも何をするにも詠美を片時も離さなかった。

ミンジュンの日本での主な仕事は映画のオーディションがメインだったためそのイベントが終わった今は、ジノも他のスタッフもミンジュンのする事には何も文句は言わず逆に温かい目で見守っている。

でも、テヒョンだけはそうではない。
詠美のミンジュンに嵌まっていく笑顔をみるたびに、複雑な思いがテヒョンの心を支配した。

…詠美はテヒョン兄さんに捨てられる。

その断固たる予感がテヒョンを素直にしてくれなかった。


ミンジュンはそのテヒョンの様子をちゃんと把握していた。
だから、ミンジュンが東京巡りをするための運転手は他の日本人を新たに雇った。
俺が詠美を同行する事は当たり前の事で、その度にテヒョンの不機嫌な顔を見たくなかったし、その事でぶつかりたくもなかったから。

ミンジュンはジノにその旨を説明して、テヒョンの仕事はジノに任せる事にした。
でも、厄介な悩みの種はまだ残っている。
詠美との日本語の勉強会は続いているという事だ。



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