ミンジュンが私を溺愛すぎる件



今日は、詠美を連れて神奈川の方まで足を運んだ。
運転手を変えたため、車の中でもイチャイチャできるのが本当に楽しい。

でも、鎌倉に立ち寄った時、ちょっとした事件が起きた。
観光客が多いのは知っていたが、ミンジュンと詠美が降り立った時間は日本のおばさんの団体がとにかく多かった。

ミンジュンはいつもの若者風なラフな格好にサングラスという出で立ちで全てのオーラを消していたが、あの一世を風靡したミンジュン王子を日本のおばちゃん達が忘れるはずがない。

細い小町通りを歩いていると、おばちゃん達がミンジュンの顔を見て一回通り過ぎてから必ず振り返る。


「ミンジュンさん、もう引き返した方がいいかもしれない」


詠美はボディーガード並みの動きをしながらそう言った。


「大丈夫だよ、その先の神社も見てみたいし」

詠美はそう言うミンジュンを引っ張って、小さなお土産店に入った。
そこでニットのベレー帽風のメンズの帽子を買い、試着室でミンジュンにかぶせる。


「ミンジュンさん、その襟足の髪も、横の髪も、全部帽子に入れて下さいね」


「え?? 何で?」


ミンジュンが渋々そうすると、詠美は紙袋の中から何か不思議な物を取り出した。
それは不気味な髪の毛の束だった。


「詠美、それは何??」



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