ミンジュンが私を溺愛すぎる件
ジノは決してバカにしていない。
でも、ミンジュンは苦笑いを浮かべながら悔しそうな顔でジノを見た。
「詠美をどうしようかって、ずっと悩んでる…」
ミンジュンはジノにだけは素直だった。
それは昔も今も変わらない。
「結婚するんだろ?」
ジノはミンジュンの性格から、詠美を何があっても手離す事はないと思っている。
大げさに言えば、地球が滅亡してもも世界が分断されても…
手に入れると決めたのなら、どういう困難があっても汚い手を使ってでも手に入れる、ミンジュンとはそういう男だ。
でも、今のミンジュンからはそういう凄味は何も感じられない。
「結婚はしない…」
ジノはその言葉に驚いた。
「俺は、色々あったけど、お前にとって詠美は救世主だと思ってた。
鋭利な刃物のようなお前の性格が、少しでも丸くなった事は本当に嬉しいと思ってる。
でも、結婚しないって…
お前、詠美なしの生活ができるのか…?
一回でも温かさや癒しを知ってしまったら、もう前の生活には戻れないぞ」
ミンジュンは運ばれてきた料理を見てため息をついた。
詠美との別れを考えたら、食べたいとも美味しそうとも思わない。
きっと、そういう事なのだろう…