ミンジュンが私を溺愛すぎる件
「あ、そうだった… 詠美に相談があるんだ…」
詠美はドキっとした。
ミンジュンの深刻な顔は、迫りくる別れの時を嫌でも思い出させるから。
「実は、俺のお母さんが、明後日に東京に来るんだ…
友達との旅行だから、このホテルに泊まるとかはないらしいけど。
でも、俺の顔を見に来るって」
詠美は心臓が激しく高鳴る。
「じゃ、その日は、私は実家に帰った方がいいよね?
お母様も、親子水入らずで過ごしたいだろうし…」
詠美がそう言うと、ミンジュンは小さくため息をついて首を横に振った。
「それが、ジノが詠美の事を母さんに話したらしくって…
さらに、母さんが来るその日は、俺もジノも大切な仕事が入ってて昼間はいないんだ」
詠美の顔から見る見るうちに血の気が引いていく。
さっき食べ過ぎたお餅が胃の中で暴れ出し、最悪の気分になってきた。
「それで相談なんだけど…
明後日の昼過ぎに母さんはここにやって来る。
詠美がよければ、母さんにつきあって、食事なりショッピングにつき合ってもらいたいんだ」
ミンジュンは詠美の想定内の反応が可笑しくて笑ってしまいそうだ。
でも、いきなり、こんな事をお願いされたら、普通の女の子はこうなるだろう。