ミンジュンが私を溺愛すぎる件
ミンジュンは詠美の顔が曇る原因を分かっていた。
それは、結婚という二文字を俺が会話の隅に出したから。
でも、これが今の現実の中の二人の状況だ。
考えている事を口に出すだけで、この世の終わりのような気分になる。
「あ、うん… 大丈夫、ごめんね。
それと、お母さんの件、私、引き受けてもいいよ…
ミンジュンさんのお母さんに、ちょっとだけ怖いけど、でも、会ってみたい気もするから」
ミンジュンはテーブル越しに詠美の頬を撫でた。
詠美は本当に優しい子だ…
「母さんが無事に帰ったら、俺から詠美にご褒美をしたい」
「何を…?」
ミンジュンは詠美の頬をまだ触っている。
つるつる滑らかな肌は、食べてしまいたいくらいに柔らかい。
「何でもいいよ。 詠美が望むものなら…
だから、考えといて。
どれだけお金がかかってもいいいから」
詠美はうんと頷いたが、別に欲しい物なんてない。
ミンジュンのお母さんに嫌われなければそれでいい。
そして、ミンジュンからありがとうって一言があれば、何も要らない…