ミンジュンが私を溺愛すぎる件
「詠美、ほんとにごめんな… 夕方には帰ってくるから」
ミンジュンはそう言うと、詠美を力いっぱい抱きしめいつもより長いキスをして、仕事のためにホテルを離れた。
ミンジュンの話では、ミンジュンのお母さんは友達とは別行動でこのホテルにやって来るらしい。
そして、ホテルへの滞在時間は三時間程度だということだった。
詠美は居ても立っても居られない。
ホテルの人がピカピカに掃除をしてくれているにも関わらず、その上からまた掃除をする始末だ。
…お昼過ぎに来るって言ってるけど、そのお昼過ぎって一体何時なんだろう?
昼の12時を回った直後から、詠美は固まってソファに座っている。
ミンジュンはその三時間を使って浅草に連れて行けば?なんて言っていたが、そんな事を今は考える余裕もない。
ミンジュンのお母さんが私を見て、私の事を気に入ってくれればの話だから…
2時が過ぎても誰も部屋に訪れる気配はなく、詠美は待ちくたびれてウトウトうたた寝をしていた。
ピンポン、ピンポン、ピンポン…
いつもは上品な玄関の鐘の音が、今日はけたたましく鳴っている。
絶対、お母さんだよね…?
詠美、落ち着いて、笑顔で挨拶を忘れないで。