ミンジュンが私を溺愛すぎる件
詠美はロボットのような動きで、玄関までお出迎えに行く。
そして、ドアを開けると、そこにはミンジュンには全く似ていない洗練された上品な韓国のおば様が立っていた。
「こ、こんにちは…
私は、森詠美と言います。どうぞよろしくお願いします」
詠美が顔を真っ赤にしてそう挨拶しても、ミンジュンのお母さんは何も言わずに動かずに詠美を見ていた。
まるで品定めをしているのかのように、黙ったまましばらく詠美を眺めている。
詠美の顔に貼りつけた笑顔は、もう引きつった状態できっと笑みには見えないだろう。
すると、急に、ミンジュンのお母さんは、詠美に笑顔を見せた。
「了解しました。
私は、チョンテヒです。今日はよろしくね」
詠美はその笑顔に救われた。
ミンジュンのお母さんの微笑みは、一瞬でこの場を和ませるそんな力を持っている。
詠美は、テヒをまず部屋の中へ案内した。
東京の中でもリッチなホテルの、その中でもプレジデンシャルスィートルームだ。
部屋の雰囲気や装飾品を眺めるだけで、詠美はいつもため息が出てしまう。
「こんな贅沢な部屋に泊まって…」
詠美はテヒがそう言うのも頷けた。
「何泊くらいしてるの?」
「はい、三か月の予定だそうです」
詠美は、テヒが目を丸くするのが面白かった。
何だか、とても可愛らしい人…