ミンジュンが私を溺愛すぎる件
「スマホ?
あ、そういえば、自分の部屋に置いたままだ…
ミンジュンさんのお母さんが来た時にビービー鳴っちゃ失礼だと思って部屋に置いてたの。
ごめんね…
それっきり、ずっと忘れてた…」
詠美はミンジュンに強く抱かれながら、またテヒの話を思い出していた。
両親が死ぬほどの恋をしてその結晶として生まれてきたミンジュンなのに、誰よりも愛に臆病で、誰よりも愛に飢えている。
そんなミンジュンが不憫で愛おしい…
「オンマに何か言われたりしなかった…?」
詠美は何も言わずミンジュンの手を取り、ソファまで連れて行く。
私がスマホに出なかったせいで、あり得ない事ばかり考えて心配して疲れ切っているのが手に取るように分かる。
詠美は美味しいコーヒーを淹れ、そして自分の家の煎餅を添えて、ミンジュンの前に置いた。
「まずはひと息つこう…
私は全然大丈夫だから」