ミンジュンが私を溺愛すぎる件
ミンジュンは右側の口角だけを上げ、照れくさそうに笑った。
詠美はミンジュンのこの笑顔が一番好きだ。
ミンジュンは大きくため息をつくと、詠美が淹れたコーヒーを一気に飲み干した。
そして、添えていた煎餅もボリボリと平らげる。
「で? どうだった?
嫌な思いはしなかった?」
「その嫌な思いは、余計だよ。
すごく楽しかったし、ミンジュンさんのお母さんの事、大好きになった…」
詠美は自分にもコーヒーを淹れミンジュンのおかわりも持って、ミンジュンの隣に腰かけた。
「あ、ミンジュンによろしく伝えといてって」
ミンジュンは詠美からもらったおかわりのコーヒーをまたすぐに口に含む。
「やっぱり答えなくていい…
詠美とオンマが仲良くなれたんなら、それ以上の事は俺は聞かなくていいや」
ミンジュンはそう言うと、すっきりとした顔をしてまたコーヒーを飲んでいる。
詠美はミンジュンのその言葉で何も言えなくなった。
私がミンジュンのご両親の大切な話を知っているって言ったら、ミンジュンはどんな反応をするのだろう…
「でも、一つだけ、ミンジュンさんのお母さんにアドバイスを受けたんだ…」
詠美は勇気を振り絞ってそう言った。
これだけはちゃんと伝えたい。
そうじゃなきゃ、お母さんが私に会ってくれた本当の意味が無駄になるから。
「アドバイスって?」