ミンジュンが私を溺愛すぎる件



「あ、すみません… 車が混んでて…」


ミンジュンはこの自分だけの城となるはずの部屋に詠美を泊める事自体、自分がそう決めた事なのに納得していなかった。

孤高の狼という異名を持つ俺が三か月も知らない日本人の女と一緒に過ごすなんて、一体全体何がどうなったのか…?
それでいて、詠美の行動を全て把握し自分の思い通りにしてしまいたいという厄介な感情が俺を支配している。


「夕食は?」


聞いている内容は優しいくせに、声はまだ怒りに満ちている。
詠美は怖すぎて、お腹がペコペコだなんて口が裂けても言えなかった。


「……あ、大丈夫です。
あまり、お腹空いてないので…」


詠美はそう言ってちょこんと一礼すると、そそくさと自分の部屋へ荷物を運んで行く。
詠美の部屋はダイニングの真横の部屋だが、防音壁がしっかりしているせいで隣の声や音は全く聞こえない。


詠美はベッドに座り込んだ。

これから私は何をすればいいのだろう…?
お手伝いやメイドみたいな仕事って、一体何…?




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