ミンジュンが私を溺愛すぎる件
詠美はそう言って席を立とうとした。
「詠美、まだ行くな。
まだ、ここにいろ」
ミンジュンはしかめっ面を頑張って笑顔にする。
「どうすれば食べてくれるんだ?」
ミンジュンは詠美の笑顔を見たいと思った。
まだ詠美の本物の笑顔を見ていない。
でも、詠美は何も言わない。
「これは詠美に全部食べてほしい」
「全部??
こんなにたくさん…?」
ミンジュンはまた険しい顔に戻り、大きくため息をついた。
日本の女の子は、高価なプレゼントや物を贈られる事を好むと聞いた。
料理だってそうだ。
夜景の見える高級レストランで食事をする事に憧れていると、日本人の知り合いから聞いた事がある。
「日本の女の子は、高価なプレゼントとか食事を好むんだろ?
だから今夜は、詠美との出会いを祝って、和食もイタリアンもフレンチも一通り頼んだんだ」
詠美はミンジュンの意外な言葉に驚いた。
私のためにセッティングしてくれた…?
でも、ミンジュンのその前の言葉にどうしても引っかかってしまう。