ミンジュンが私を溺愛すぎる件
だって、ミンジュンは王子って呼ばれていたくらいの人間だもの…
詠美がトロンとした顔でミンジュンを見ていると、また急にミンジュンは顔つきを変えた。
「嬉しかった?
そんな風にマジで受け取られちゃ困るな。
詠美はお安い女の子なんだね」
詠美は愕然とした。
持ち上げられたり落されたり、もうこれで何度目だろう…
27年生きてきた中で、本当に好きになった人とはつき合った事がない。
つき合った人はいるけれど、向こうからつき合ってと言われなんとなくつき合うパターンが多かった。
本当に愛する人に、可愛いよとか愛してるとか言われてみたいって夢見る事は悪い事?
お安い女って…
私にとっては、可愛いよも愛してるも、お金なんかに例えたくないくらい崇高なものなのに…
「部屋に戻ります…
あと、あの、もしできるのなら……
家から通わせて下さい。
契約したので、仕事はちゃんとやります。
でも、ミンジュンさんと一緒に生活するのは無理かもしれない…
私、ミンジュンさんが知ってるようなお金で動く女性じゃないです。
だから、こんな豪華なお部屋も食事も凄いなとは思うけど、それだけです…
あ、ごめんなさい… 勝手にベラベラ喋って…
でも、今の話、考えてもらえませんか…?
よろしくお願いします。
部屋へ… 部屋へ戻りますね」
詠美はちょこんと会釈をして、隣の部屋へ戻って行った。