ミンジュンが私を溺愛すぎる件
ミンジュンはその事を話す詠美の顔が気に食わなかった。
今日一番の笑顔をしている。
腹の下の方から強烈に怒りが沸き上がってくる。
でも、だからと言って、その約束を握りつぶすことはできない。
ミンジュンは腹立たしいけれど頷くしかなかった。
見る見るうちに、詠美の顔がもっと明るくなる。
さっきまで泣きそうな顔をしていたくせに、そんなにその約束が大事か?
「でも、行く時は必ず俺に許可をもらってから行く事、それと、帰ってきたら報告も忘れない。それが条件だ。
分かったか?」
詠美は笑顔で頷くと、ハッと何かを思い出したような顔でミンジュンを見た。
「ミンジュンさん、私の部屋って、シャワーがついてなくて…」
ミンジュンは大きくため息をついた。
「バスルームは好きに使っていいよ。
俺は、自分の部屋にあるバスルームを使うから」
「ほ、本当ですか??
あの立派なバスルームを使っていいんですか?」
ミンジュンはまた小さくため息をつき、でも可笑しくて笑った。
詠美の最高の笑顔をこんなバスルームのくだりで見る事ができたのが嬉しかった。
「いいよ。
あのバスルームは詠美専用にしてやる。
だから、好きに使えばいい」
この笑顔は絶対に癖になる……