ミンジュンが私を溺愛すぎる件



一日中、外回りが続いたせいで、詠美はクタクタだった。
ホテルに帰り着くと、ミンジュンがまだいないのをいいことに最高級のソファにドサッと倒れ込んだ。

とにかく緊張して今でもまだ足が震えている。

全てが極秘事項の中で、日本では名の知れた有名企業の会議室で詠美は通訳を任された。
それより一番に驚いた事は、韓国で今人気が急上昇しているコスメブランドがミンジュンの会社だったという事。

そのブランドの日本での一号店が渋谷の有名なビルのワンフロアに展開する。
そんなすごい会議の通訳を…
詠美は、今、また思い出すだけでも体が震えた。

ミンジュンさんとジノさんは、私の通訳をどういう風に思ったかな…


詠美はこのプレジデンシャルスウィートルームの四人掛けのソファの寝心地に大きくため息をついた。

真っ黒な革張りのソファは、見た目とは違ってとにかく柔らかい。
そういえば、この間ミンジュンさんも気持ち良さそうに寝てたっけ…?

そんな事を考えながら、詠美は徐々に眠りの谷に落ちていく。
もうその後の記憶は何もないほどに、深い眠りの底に落ちてしまった。



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