ミンジュンが私を溺愛すぎる件



すると、詠美は何かに気付いたようにゆっくり目を開けた。
目の前に見えるミンジュンを見て、顔色が真っ青になるのが分かる。


「ご、ごめんなさい… 私、寝てしまって…」


ミンジュンは寝起きでおどおどしている詠美を、無意識の内に抱きしめた。


「詠美は俺のものだ…
逃げたりしたら許さないからな…」


真剣な恋愛というものには今まで縁がなかったミンジュンは、この湧き出る恐ろしいくらいの愛情をどう扱っていいのか分からない。
俳優としてたくさんの純愛ドラマで色々なタイプの男を演じてきたけれど、何も役に立っていない。

こんな威圧的な言葉しか思い浮かばないくらいだから…


詠美はキョトンとしながらも、言葉の意味は理解できた。
理解できたからこそ、抱きしめられている体をミンジュンから離した。


「逃げたりはしません…
三か月間、ちゃんと仕事はこなします。

それと、私はミンジュンさんのものなんかじゃありませんので。
ミンジュンさんに雇われてはいますけど、私は、森詠美としてちゃんと自分の意思を持って働きます」


詠美はミンジュンに抱きしめられて、このままどうなってもいいなんて考えてしまった自分を叱責した。
元韓流スターに抱きしめられれば、人間誰でも頭がおかしくなる。

自分をしっかり持たなくちゃ…
ミンジュンさんのいい匂いにとろけそうになっても…

すると、詠美の隣に座ったミンジュンが、また詠美を自分の元へ引き寄せ強く抱きしめた。



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