ミンジュンが私を溺愛すぎる件
「何とでも言えばいい。
でも、お前はもう俺に捕まったも同然なんだから」
詠美はミンジュンの言っている意味がさっぱり分からない。
こんな素敵な元スターが、自分の事を好きになるなんて地球がひっくり返ってもあり得ないし、じゃ、この言葉の意味はどう解釈すればいいの…?
きっと、働けって言ってるんだ…
今日の私の通訳の仕事は全然ダメだったのかな…
詠美は抱きしめられたまま、分かりましたと小さな声で囁いた。
ミンジュンは、その後の詠美の行動に笑ってしまった。
自分が言った事を詠美がどう受け止めたのか、全く見当がつかない。
断片的で抽象的な言葉ばかりだったから。
そんな詠美は、ミンジュンにコーヒーを淹れたり食事の手配をしたり、お手伝いさん以上にバタバタと動いている。
ミンジュンと同じ空間にいるということはいつでも私を見てるということで、たくさんのお給料をもらってこんなに素敵なホテルに住まわせてもらっている現状をちゃんと理解しなくては、立派な社会人とは言えない。
「詠美、今夜の食事は和食がいいな。
このホテルの最上階にいい店があるから、一緒に食べに行くか?」
詠美は首を横に振った。