ミンジュンが私を溺愛すぎる件
「和食は嫌いか?」
「いや、好きです…」
ミンジュンの顔がきつくなるのが分かる。
「じゃ、何で行かない?」
詠美は小さくため息をついた。
「ミンジュンさん…
私は、ミンジュンさんのお友達でも恋人でもありません。
だから、そこはしっかりと線を引いてほしいと思ってます。
私は、さっき、近くのコンビニで食べる物は買ってきました。
だから、ミンジュンさんの食べたい食事の予約を入れますので、その和食のお店に電話しましょうか?」
ミンジュンは飲んでいたコーヒーのカップをテーブルに置いた。
持っていたら怒りで割ってしまいそうだ。
「詠美、ここに座れ」
ミンジュンは何度も息を整えながら、詠美にそう言った。
詠美は大きな目を丸くしてキョトンとしている。
ミンジュンは近くまで来た詠美の手を引いて、自分の隣に座らせた。
「雇い主と使用人だから、一緒にご飯は食べない?
じゃ、友達か恋人だったら、一緒に食べるのか?」
ミンジュンはそう言うと、詠美に突然キスをした。
自分の思い通りにいかない腹立たしさと、詠美の心を我が物にしたい一心で、詠美のくちびるに自分のくちびるを重ね合わせる。
短く済ますはずの成り行きのキスは、ミンジュンの理性を吹き飛ばし、中々止める機会を与えてくれない。
というより、止めたくない。
でも、ミンジュンが止める前に、詠美がミンジュンから体を引きはがした。