ミンジュンが私を溺愛すぎる件
ミンジュンはそう言うと、詠美の手を取った。
さっきのキスのせいで、詠美のどこかに触れていたい。
触れると落ち着くから…
ああ、一体、この感情は何というんだろう…
詠美は大理石でできたダイニングテーブルに、コンビニで買ってきたおにぎりや唐揚げやサラダを並べた。
「ミンジュンさん、お皿に出した方がいいですか?」
ミンジュンは詠美にすすめられたデカ串焼き鳥を手に持っている。
「いいよ、このまま食べよう」
そう言うと、その焼き鳥を袋から出してかぶりついた。
詠美はミンジュンの表情を目を離さずに見ている。
だって、最近新発売になったばかりのこの焼き鳥に、詠美はバカみたいに嵌まっていたから。
「めちゃくちゃうまい!」
詠美は満面の笑みになる。
そうでしょ、そうでしょ、私も大好きなんです…
詠美は自分の分の焼き鳥も取り出し、最高の笑顔でかぶりついた。
「ミンジュンさん、この塩味もいけるんですよ」
俺の心臓が的だとしたら、詠美の今の笑顔が矢となってこの心臓のど真ん中に深く突き刺さった。
詠美の大きな目は本気で笑うと、三日月の形になる。
普段の目が大きいからかこそ、この三日月型の線になる目のギャップがたまらない。
マジで、ヤバいぞ…
俺は、本気で、詠美に惚れたかもしれない…
ミンジュンは何万円もするフルコースより、詠美と食べるコンビニの食事に癒しと幸せを感じた。
いや、きっと、詠美がいれば何でもいいんだ…
詠美の笑顔があれば、何でも美味しくなる…