ミンジュンが私を溺愛すぎる件
食事を終え、詠美はミンジュンにコーヒーを入れた。
コンビニの空の容器が並ぶテーブルも綺麗に片付けた。
ミンジュンはソファにサイドテーブルを持って来て、さっきからずっとパソコンを打ってる。
詠美は後片付けを終わらせた事をアピールするため、大きくため息をついたり背のびをしたり、ミンジュンがこちらを向いてくれないか待っていた。
でも、パソコンに集中しているせいで全くこちらを向いてくれない。
「ミ、ミンジュンさん…?」
詠美は待ち切れず自分の方から声をかけた。
髪をかき上げこちらを見るミンジュンは、本当に素敵過ぎる。
「あ、あの、例のお約束なんですが…」
詠美は時計を見ながら、ミンジュンが思い出してくれる事を祈った。
「約束…?」
あ、やっぱり覚えてない…
詠美は小さくため息をついた。
「あ、あの、テヒョンさんに日本語を教える約束です。
もう、そろそろ、行っていいですか…?
2時間くらいで帰ってきますので…」
詠美はそう言うと、ミンジュンの顔も見ずにコートが掛かっているクローゼットへ向かった。
だって、ミンジュンの機嫌の悪い顔が詠美の視線の片隅に映ったから。
だからといって、ミンジュンを無視したまま部屋から出るわけにはいかない。
詠美は最上級の笑顔を取り繕って、いいですか?みたいな顔でミンジュンを見た。
「は? どこに行くんだ?」