ミンジュンが私を溺愛すぎる件
さっき焼き鳥を一緒に頬張った優しい顔のミンジュンはもうここにはいない。
「このホテルの近くにカフェがあるらしくって…」
詠美が最後まで言い終らない内に、ミンジュンはかぶせてこう聞いてきた。
「あるらしいって、テヒョンがそう言ったのか?」
詠美は何だか嫌な雰囲気に飲み込まれそうになったが、でも、何もやましい事をしているわけじゃない。
「はい。
もう、テヒョンさんはそこで待ってるみたいなので、すみません、行ってきます!」
詠美はすばやくミンジュンに一礼をし、小走りで部屋の外へ出た。
あ~~、怖い…
ミンジュンさんのあの顔は本当に怖い…
でも、ちゃんと約束したわけだし、きっと、今頃はその約束を思い出してくれてるよね…?
思い出しててください…
そうじゃなきゃ、私、この部屋に怖くて帰れないよ…
詠美が急いで約束したカフェへ向かうと、窓際の席にテヒョンが座っているのが見えた。
テヒョンの笑顔を見ると泣きそうになる。
ミンジュンの近くにいるだけで相当のストレスを感じているのは分かっていたし、でもそれ以前に、ミンジュンの何気ない行動に振り回されて冷静になれない自分自身がもどかしかった。