ミンジュンが私を溺愛すぎる件
翌日は、ミンジュンはオフの日だった。
ということは、詠美もオフになる。
今日は平日で皆仕事に励んでいるというのに、ミンジュンは詠美を連れて東京巡りをするつもりだった。
朝、ルームサービスで朝食を頼み、ミンジュンは詠美とまったりとした朝を過ごしていると、けたたましく呼び鈴の音がする。
詠美は慌てて玄関の方へ向かった。
すると、そこには気難しい顔をしたカンジノが立っていた。
「ミンジュン、わがまま言うのもいい加減にしろよ。
俺はお前と違って忙しいんだ。
お前達の観光のために運転手をする時間なんてない」
ジノはミンジュンの許可も取らずに勝手に上がり込み、廊下を歩きながらそう怒鳴った。
「だからタクシーで動くって言ってるだろ。
別に車は出してもらわなくていい」
「タクシーで動いたら、すぐにお前がミンジュンだってばれる。
そうなったら面倒くさいのはお前が一番分かってるはずだ。
俺はお前達にはつき合えないから、テヒョンを行かす事にした。
あいつは運転手で日本に連れて来てるわけだし、好きに使ってくれ」
ミンジュンはチッと口を鳴らした。
でも、テヒョンが嫌だからお前に頼んだんだなんて、何があっても言えるはずもない。
ミンジュンはこれ以上何も言わなかった。
このカンジノという男は、切れ者で何でも察してしまう特技を持っている。
今はまだ、詠美へのこのどうしようもない気持ちを察してほしくなかった。