ミンジュンが私を溺愛すぎる件
ミンジュンはテヒョンが同行する許可を出した事を、一日中後悔していた。
映画撮影の下見も兼ねて東京を巡っているが、ミンジュンの中では詠美にガイドをしてもらい楽しいひと時を過ごせればとそんな期待に胸を膨らませていた。
それなのに、どこに行くにも2対1の講図がしっかりとできてしまっている。
俺が一人で先を歩き、その数歩後ろを詠美とテヒョンが仲良く歩く。
二人はテヒョンの日本語の勉強も兼ねているせいで、ずっと喋っている。
ミンジュンはずっと我慢していたが、昼食を取った後の車の中でブチ切れた。
テヒョンが調子に乗って韓国語で詠美と話していたからだ。
「おい、運転手、お前は何様だ?
日本に何のために来たのか忘れたのか?
お前の兄貴がどうしてもテヒョンを今度の映画に出演させたいって泣きついてきたから、俺が条件を出した事は兄貴に聞いて分かってるだろ?
ジノの弟っていうことで甘く見てたけど、もうそれも止めた。
今回もジノの頼みでバイトとしてお前を日本に連れてきたけど、もう今日をもって解雇にする。
明日には韓国へ帰れ。
それと、今日の観光ももういい。
ホテルへ向かえ」