ミンジュンが私を溺愛すぎる件
ミンジュンは韓国語ではなく、日本語でそうまくし立てた。
テヒョンにどれくらい伝わっているか分からない。
テヒョンの戸惑った表情を見て、ミンジュンは詠美を見た。
「後で、ちゃんと韓国語で伝えろ。
一語一句、正確にだぞ」
ミンジュンは詠美にそう言った後、今度はテヒョンに韓国語でホテルへ向かえと言った。
テヒョンは気まずそうに日本語ではいと言い、静かに運転し始めた。
ホテルの手前でミンジュンは詠美を連れて車を降りた。
ミンジュンは車を降りると、詠美の手を取り歩き出す。
詠美はさっきのミンジュンが投げつけたテヒョンへの言葉が気になり過ぎて、居ても立っても居られない。
どこに向かって歩いているのか分からないまま、詠美はミンジュンにさっきの言葉の真意を確かめた。
「ミンジュンさん…
テヒョンの解雇は本気ですか…?
韓国へ帰れというのも…」
「お前には関係ないことだ。
その事でこれ以上口を挟むな、いいな」
ミンジュンの顔は今までにないくらいに怖かった。
サングラスをかけて若者風の格好をしているが、その凄味は一緒にいればすぐに分かる。