ミンジュンが私を溺愛すぎる件
秘密の約束は底なし沼…
詠美はその日の夜もテヒョンの日本語の勉強につき合った。
昼間のミンジュンの剣幕を相当気にしているテヒョンに、詠美はまず最初に自分の方から謝った。
「今日の昼間はごめんね。
私のせいでテヒョンがあんなに怒られて…」
「みんじゅんにいさんは、もうおこってないですか…?」
テヒョンはたどたどしい日本語で詠美にそう聞いてくる。
「もう、怒ってないです。
だから、日本語の勉強を一緒に頑張りましょうね」
詠美がそう言うと、テヒョンはホッとした笑みを浮かべた。
詠美がテヒョンとの勉強を終わらせ部屋に帰り着いた時は、もう夜の11時を過ぎていた。
テヒョンがミンジュンに怒られたせいで、日本語の勉強に熱が入ったためだ。
後30分、後10分といった感じで、ミンジュンとの約束の二時間はとうに過ぎてしまった。
「ただ今、帰りました…」
詠美は自動で開けられたドア越しに、小さな声でそう言った。
時間を守らない事は、恋人としてもメイドとしても絶対にあってはならない事。
詠美は勇気を振り絞ってミンジュンがいるダイニングルームへ向かった。
「すみません、遅くなりました…」
ダイニングに入るとすぐに、詠美は頭を下げてミンジュンに謝った。
そして、ゆっくりと顔を上げて部屋の様子を見てみると、いつも座っているはずのソファにミンジュンの姿はない。
…あれ? いない。