ミンジュンが私を溺愛すぎる件



詠美がそう思って後ろを振り向くと、ミンジュンはキッチンの奥の方で何やらお酒らしきものが入ったグラスを片手に詠美を見ていた。


「風呂に入ってこい、今すぐだ」


そんな…
私の顔を見るなり、いきなり風呂って…


「それも30分以内だ。
お前の風呂は長いからな」


詠美は何も言い返せずにコクリと頷き、自分の部屋へ入った。


ミンジュンは決して酔っ払っているわけではない。
ただ飲まずにはいられなかった、それだけだ。

遅くても10時には帰ってくるはずの詠美が、待っても待っても帰ってこなかった。
あの秘密の契約をした後だったせいで、俺はこのまま詠美は帰って来ないんじゃないかと死ぬほど心配した。
今までに味わった事のない焦燥感と孤独感は、俺の精神を破壊するほどの強烈なものだった。

人を愛するという基本的な事を、俺は知らな過ぎる。
30歳を過ぎて初恋というものを経験している俺の中で、今、確実に、嫉妬という嵐が吹き荒れていた。




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