ミンジュンが私を溺愛すぎる件



「ミンジュンさん、時間はたっぷりあります。
ゆっくりお互いを知っていきましょう」


でも、そう言いながら詠美は軽く俺にキスをする。
詠美だって俺がほしいに決まっている。
だけど、焦って無理をして詠美を怒らせて、詠美を手離す事があってはならない。

ミンジュンは優しくキスを返した。


「じゃ、俺のお姫様は一体何が聞きたいのかな…?」





翌日から、ミンジュンは日本人俳優のオーディションのため都内のとあるホールの会議室に缶詰め状態だった。

そのオーディションは一般応募はしておらず、内内で芸能事務所にオーディションの詳細を配信した。
素人でもベテランでも枠は設けていないが、事務所の社長の推薦書を義務付けていた。
20代から30代前半男性という条件だったが、思いの外想定外の人数に達していた。

詠美は待合室での応募者のフォローに入っていた。
日本人男性と韓国人女性のただの恋愛物語ではなく、東京とソウルをまたぐ壮大なラブサスペンスという大掛かりな映画になるため、オーディションを受けに来ている人の中には、有名な人気俳優もちらほらいた。

でも、詠美はスタッフのためキョロキョロソワソワする事は許されない。
たまに様子を見に来るカンジノにその度に注意をされて、必要以上に気を張っていた。



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