ミンジュンが私を溺愛すぎる件


この一次オーディションを経て、二次、最終へと続くらしい。
二次まで東京で行い、最終審査は韓国で監督や共演女優の見ている中で行う予定だ。
そして、二次の審査を終えるのに、約一か月はかかるという事だった。

詠美はほとんどミンジュンと顔を合わせる事なく、一日を終えた。
夕方、先にホテルへ帰り着いた詠美は、自分のためにコーヒーを淹れ、夜へと変わっていく夕空を見ていた。
すると、スマホが鳴り響く。
詠美が慌てて電話に出ると、ミンジュンからだった。


「今日は、打ち合わせが長引くから、先に寝てていいから」


「私は同行しなくても大丈夫ですか?」


「事務所の人間ばかりだから大丈夫だ。
はあ…
できるだけ早く帰るから、やっぱり寝ないで待っててくれ」


詠美は電話を切った後、胸の鼓動が激しいのが分かった。
ミンジュンの言葉は本物の恋人へ向けるものと一緒だ。
多分、私は、いや絶対に、ミンジュンに本気で恋をしてしまう。
恋してしまっていいのかな…
12月には韓国へ帰ってしまう人なのに…



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