ミンジュンが私を溺愛すぎる件
こんなにも俺の心の真ん中を簡単に手に入れた詠美は、きっと俺にとっては奇跡なのかもしれない。
小さい頃から身に付いてしまった人間嫌いによって、母親と大事な友達以外は俺の中からシャットアウトした。
そして、母親の生活を楽にするため、世の中の人間を見返すため、それだけのために金を稼いだ。
でも、どんなに金を稼いでも俺の中は満たされる事はなく、年を重ねるごとにその欠けた部分が広がり大きくなった。
つい最近まで、それが何なのか分からなかった。
「…詠美? こんな所で寝たら風邪ひくぞ」
神様は、俺の事を見捨ててなかったんだな…
こんなに離れた場所に、俺の大切なピースを隠していたなんて。
「…詠美? ベッドに連れて行くぞ」
ミンジュンは詠美を抱き上げ、隣のベッドルームへ連れて行く。
愛おしいという言葉の意味を初めて知った気がした。
ベッドへ優しく詠美を寝かすと、詠美はようやく大きな目をゆっくりと開いた。
「ミンジュンさん、お帰りなさい…
でも、私、寝てしまった…」
詠美はそう言いながらも、まだ半分ウトウトしている。
「いいよ、今日は許してやる。
でも、その代わり…
今日は俺もこのベッドで寝てもいい?」