いつか、君の涙は光となる

お別れを告げる代わりに、胸の中で強く強く願った。
私の、大切な人たちが、どうか幸せでありますように。

「二人とも、三年間本当にありがとう。本当に楽しかった……」

嫌われる前に逃げるようなこんな弱虫な私と、仲良くしてくれてありがとう。

そんな気持ちを込めて感謝の気持ちを伝えた。
できればもっと一緒にいたかったけれど、大人になっても友達でいて欲しかったけれど、あなた達が大切だからこそ逃げてしまう。

嫌われたくない。大切な人に。
私の世界に、これほど怖いことはない。

「詩春は、私たちのこと、好き?」
震える声でお礼を伝えた私に、万里が優しく話しかけてくれた。

うん、好き。出会えてよかった。万里や宗方くん達がいたから、毎日が楽しかった。
ほんとだよ。感謝の気持ちしかないんだ。大切だ。幸せでいてほしい。だから何年経っても忘れない。ありがとう。

ありがとう。

「うん、好き。……心から」
そう伝えると、万里が私のことを優しく抱きしめてくれた。温かい。じんわりと、心が丸くなっていくのを感じる。
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