いつか、君の涙は光となる
私は、そのとき無意識に彼女の手にそっと触れてしまった。すぐに離したけれど、遅かった。彼女が自分の部屋で静かに泣いている姿が目に浮かんでしまったのだ。
沙子はベッドの上で丸まって泣いていた。部屋の灯りもつけずに、暗闇の中に響く静かな泣き声は、胸の中を締め付けるには充分だった。
友達だから、何があったのか知りたい。普段冷静な沙子が、あんな風に泣くなんて、信じられなかった。
私には、話してくれないのだろうか。なんだか少し、寂しい気持ちになってしまう。
「出ようか、混んできたし」
パスタを食べ終えた私たちは、割とすぐに店から出た。そのあとは、服を見たりプリクラを撮ったり適当に夕方まで過ごしたけれど、私の頭の中にはさっきの映像が絡み付いて離れない。これはお節介だ、沙子は自分の気持ちを話すことが好きじゃないんだと分かっていても、あの啜り泣く声が木霊すると胸が痛くなる。
どうしても気になって仕方がなくて、十七時にくるバスを待っている時も私はどこか上の空で彼女の話を聞いていた。そんな私を見てしびれを切らしたのか、沙子は観念したかのように口火を切った。
沙子はベッドの上で丸まって泣いていた。部屋の灯りもつけずに、暗闇の中に響く静かな泣き声は、胸の中を締め付けるには充分だった。
友達だから、何があったのか知りたい。普段冷静な沙子が、あんな風に泣くなんて、信じられなかった。
私には、話してくれないのだろうか。なんだか少し、寂しい気持ちになってしまう。
「出ようか、混んできたし」
パスタを食べ終えた私たちは、割とすぐに店から出た。そのあとは、服を見たりプリクラを撮ったり適当に夕方まで過ごしたけれど、私の頭の中にはさっきの映像が絡み付いて離れない。これはお節介だ、沙子は自分の気持ちを話すことが好きじゃないんだと分かっていても、あの啜り泣く声が木霊すると胸が痛くなる。
どうしても気になって仕方がなくて、十七時にくるバスを待っている時も私はどこか上の空で彼女の話を聞いていた。そんな私を見てしびれを切らしたのか、沙子は観念したかのように口火を切った。